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起業=目的 or 起業=手段? [7-3 MBA留学中:School]

起業というのは手段であって目的ではないと言うのが従来の僕の考えだった。実は今でもそう思っている部分はあって、例えばある人が将来の目標は?と聞かれ、「起業です」という風に答えていると、すごく不思議な気分になる。起業をする事が目的ってどういう事なんだろうって。「会社を起こす」、と言うのは「会社に勤める」とほぼ同義語で、その中にはどんな事業をやりたいのか、どんな会社を作りたいのか、と言う中身が全く伴っていない。それは小学生の頃、将来は何になりたい?と聞かれて「金持ちになりたい」と答える同級生に似ている(ちょっと違う?)。

 

金持ちになるというのはビジネスで成功して結果的にそうなるかもしれないけど、「金持ち」になる事が目的ではない。目的であってはいけない。と言うか、「金持ちになる」という夢は何て寂しい、夢がない夢なんだろうって小学生ながらに思っていた。というのが僕の価値観。

 

寧ろ個人としてこれがしたい、という思いが強くあって、色々な選択肢の中から起業を選ぶのが最も自然な形の起業だと思っていた。と今でも思っている。例えば、ハウスウェディングのビジネスをやりたい、という強い思いをある人が持っていたとする。その人がそれを実現する為には、例えば実際に既にそれをやっている企業、例えばテイクアンドギブニーズに入社してそれをやるか、若しくはプリンスホテルみたいなホテルウェディング事業を既にやっていて、その中での新規事業としてハウスウェディング事業を始めるという選択肢もあるはず。でもそれらが本当にだめで、全く新しい形のハウスウェディングだから、新たに新しい会社を起こして始めるしかない、と言うのが自然な流れだろう。

 

でも実際は違う。本当に起業を目的にして成功している人も多い。ここで言っている起業=目的というのは、ビジネスや事業を問わずに起業するという事だ。例えば前述のテイクギブアンドニーズの野尻社長も本当にウェディングが好きなのかと言うと彼のインタビューや本を読んでみると決してそんな感じはしない。また、楽天の三木谷社長だって阪神大震災でショックを受け、興銀を辞めてから実際にやる事を考え、インターネットの将来性に着目してインターネットモール事業を始めたのだ。最初からネットが好きで好きでたまらなかった訳ではない。GDOの石坂社長でさえ、実際に話を聞くと、最初からゴルフのネット事業をやろうと思って成功した訳ではなかった。

 

こう見ていくと、起業=手段派は実際は余りいなく、起業=目的派orビジネスチャンス派(将来性のあるビジネスを見極めて起業する)の方が部がある様な気がしてくる。只、一方である事業に強い思いを抱いて起業し、成功している人ももちろんいる。例えばグロービスの堀社長などはそのタイプで、彼の場合は日本にハーバードの様なビジネススクールを作りたい、という強い思いを持って起業している。恐らくGreeの田中社長などもこちらのタイプで、恐らく好きでたまらない事を続けていたら最終的に起業という形になってしまったのだろう。マネックスの松本社長もゴールドマンサックスにて得たファイナンスの知見と、インターネットを組み合わせたネット証券を作る事によって、日本全体の金融リテラシーをあげたいと思って起業をしている。

 

色々なケースを見た僕の結論は起業は目的たるのだな、というもの。強い思いというのは恐らく成功の必要条件かもしれないが、十分条件ではない。寧ろ不可欠なのは、ビジネスチャンスがあるのかどうか、マーケットが成長していて、儲かるのかどうか、というのを見極めるセンスの方だという事だ。そして起業という大変なプロセスを乗り越える為には強い思いは必要ではあるが、それはある特定の事業に対するものである必要はなく、単純に金持ちになりたい、とか成功したい、とか負けたくない、という気持ちでカバーが可能なのだろう。

 

只、先日書いた事に戻ると、その起業への思い、つまりモチベーションが本当に単純な、例えば「金持ちになりたい」と言うものであると、企業として誤ったカルチャーが生まれ、思いもよらない方向に行ってしまう可能性が高いのだと思う。思いの持ち方は様々であるかもしれないが、社会のルールに則って行動しなければいけないな。


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